エネルギーとパワーは、陰と陽に当たる。
先日、スピマスター* からそのように教わりました。
世界というのは陰と陽を対極とし
それぞれに対応する要素があります。
陰陽は「善悪」「正否」とは違い
どちらが上、ということもありません。
正反対の性質であるだけであって、
どちらもが世界を作る必須要素です。
この話を考えていく過程で
改めて物理の勉強をすることになりました。
「電気ってどうやってできるの?」
「半導体って何?」
「電気と磁石の関係は?」
普段使っている電気や磁石、
コンピュータにも使われる半導体について
よくよく考えてみれば知らない事ばっかり。
この「実生活に使われている物理」と
陰陽の概念はどう結びつくのでしょうか?
わたしたちの実生活に、それを
どう活かしていけばいいのでしょうか?
長くなりそうなので、2回に分けて
書いてみようと思います。
陰と陽
まずは、簡単に
陰陽の要素を整理してみます。
太極図などに代表されるように
陰と陽は循環し、相互に作用しあって
この世界(森羅万象)を生み出しています。
また、粒と波と言えば
昨今よく聞く量子力学を連想しますが
そもそも「量子」って何なのか
ご存じでしょうか?
わたしは知りませんでしたが
量子というのは
「粒子(粒)と波動(波)の両方の性質を持つもの」
ということだそうです。
この量子には昔学校で習った原子や分子、
電気の正体である電子、
光の正体である光子が含まれます。
その量子が動くルールを探求しているのが
量子力学(Quantum mechanics)になりますが
そこから見えてくるポイントは
ものすごくザックリ言うと、要するに
「モノゴトはお互いに影響し合っている」
ということだと理解しました。
ということで、古今東西の叡智が言うには
要するに陰と陽はお互いに影響し合いながら
この世界を作っているよ、と。
しかし、これでは究極のザックリで
あまりに抽象的過ぎますので
その内容をもう少し、紐解いて行きましょう。
「影響」の仕組み
さて、ここから電気の話になります。
プラスとマイナスと聞いて
思い出すのは「電気」ですね。
じゃ、電気ってどうやってできるの?
発電所では、発電機が電気を作っています。
例えば火力発電の場合:
ここで「タービンを回す」とありますが
タービンって、何から出来ているか
ご存じでしょうか?
タービンは、主に
「磁石とコイル」からできています。
そのタービンが「回る」ことで
電磁誘導という現象が起こるのです。
さあ、磁石が出てきました。
こうして見て行くと、磁力と電気には
密接な関係があることが分かってきます。
磁石というと「引き寄せ」ですね。
この辺も非常に興味深いところですが、
その点はここでは深追いせず、先に進みます。
こうして電気が出来る仕組みが
分かってきたところで、
先ほど出てきたタービンです。
磁石とコイルでできているタービンを
くるくると回転させる、つまり
金属に磁石のN極とS極を交互に
繰り返し近づけることで電気をつくっています。
ここまで、分かってきましたね。
で、現在使われている発電方法には
次のようなものがあります。
・火力発電
・水力発電
・原子力発電
・太陽光発電
・風力発電
・地熱発電
この中に唯一、タービンを
使わない発電方法があります。
どれだか分かりますか?
・・・
・・・
正解は「太陽光発電」です。
では、タービンのない太陽光パネルは
どうやって電気をつくるのかというと
磁石とコイルの代わりに「半導体」を使います。
その「半導体」とは、何ぞや?
半導体を理解するためには、まず
「導体」と「絶縁体」を理解しましょう。
導体というのは、電気をよく通すもの。
絶縁体はその逆で
電気を通さない、または通しにくいもの。
半導体というのは、この導体と絶縁体の
中間に位置するもの。
「導体ほどじゃないけど、絶縁でもない」
というものです。
しかし、分かるようでわからない。
電気を通す・通さない以上に、何か
半導体を半導体たらしめる要素が
あるのかというと…あるのです!
そこで思い出して欲しいのが
中学校で習った(はずの)原子のこと。
原子とは、
「それ以上は分解できないごく小さなもの」
「原子核」と「電子」で構成されていて
電子はマイナスの電気を帯びています。
そして、原子核は
プラスの電気を帯びる「陽子」と
電気的に中立(ゼロ)の「中性子」の
ふたつから成り立っています。
この電子(-)と原子核(+)が
プラスとマイナスで惹きつけ合って
原子が存在しています。
原子というのは
「水平リーベ―ぼくの船」と習ったように
全部で100種類ほどあります。
原子は基本的に
原子核に含まれる陽子の数によって
水素、炭素、酸素…など、それぞれ
別のものになる、というわけです。
このように数多く存在する原子ですが、
陽子と中性子の数によって
その性質が違ってきます。
安定性が高い(安定している)原子は
陽子が電子としっかり惹き合っていますが
不安定な原子はその結合が弱く
電子が本来の軌道から飛び出してしまう。
この飛び出してしまった電子を
「自由電子」と呼びます。
ここまで、長くなりましたが
要点は見えて来たでしょうか?
「万物は、いろんなものの組み合わせ」
ということが、まず分かりました。
原子自体がそうですし、
その原子が様々に組み合わさって
全てのものができているというわけです。
で、万物の要素である原子には
自由電子が発生しやすいものもあれば
ほとんど発生しないものもある。
原子が組み合わさってできる物質にも
自由電子が発生しやすいもの(導体)と
発生しにくいもの(絶縁体)がある。
そこで、ようやく話は半導体に戻ります。
一般的に使われている半導体というのは
特定の原子の組み合わせによって
自由電子を常に生み出す(n型)、あるいは
常に求める(p型)ようにしたものです。
下の図は、N型とP型の半導体のモデル例。
太陽光発電パネルには、この
N型とP型の半導体が入っています。
そもそも、太陽光発電は
タービンを回す発電法、つまり
磁石を使った発電法とは違い
「光電効果」というものを利用します。
光電効果というのは、
金属に一定の条件を満たした光が当たると
金属から電子が飛び出す、という現象です。
太陽光パネルの表、つまり
日光の当たる側にはN型半導体が、
その裏側にはP型半導体が
設置されています。
N型半導体のある面に日光が当たると
光電効果によって電子が飛び出します。
N型はすでに電子が余っているので
光電効果で発生した電子を電線へ押し出し
電流が流れ始めます。
裏のP型は逆に電子が足りないので
電流を引き込みます。
こうして、N型とP型がくっついたパネルが
電池のように働く、というわけです。
今回のポイント・まとめ
陰陽の要素には、次のようなものが含まれます。
陰:女性、マイナス極、波、見えないモノ
陽:男性、プラス極、粒、見えるモノ
電流の正体である電子は
マイナスの電気を帯びています。
電子はマイナス極から発生し
プラス極に流れます。
この世のモノは、原子からできていて
原子は陽子(+)と中性子からなる原子核と
電子(-)でできています。
原子は陽子と中性子、電子の配列により
異なった性質を持ちます。
自由電子が発生しやすい原子もあれば
発生しにくい(安定した)原子もあります。
自由電子が発生しやすいものが
電気を通しやすい「導体」であり、
逆が「絶縁体」です。
電子を一定の方向にだけ通すのが
「半導体」です。
N極とS極、プラスとマイナスは
お互いに引き合います。
お互いに影響を与え合う、ということです。
そして、磁場(N極とS極)に影響される金属を
その両極の間で行ったり来たりさせる(運動)と
電気が起こります。
「電気が起こる」というのは
電子の流れが起こる、ということです。
プラスとマイナスの両極間を電子が動くことで
「流れ(電流)」が起こります。
太陽光発電とは、
太陽の光により飛び出す電子をきっかけに
大きな流れ(電流)が起こるようにした仕掛け、
という感じですね。
こういったことから、
影響を与え合うもの同士が近づくと流れが起こる
ことが見えてきます。
エネルギーとパワー、陰と陽(2)に続きます。