エグゼクティブ・コーチングに学ぶ~2:リーダーという存在を理解する

決断コーチの、井上由紀です。

「Executive Coaching with Backbone and Heart」

読み進めながら、時々このブログで
気づきをアウトプットしています。

英語を咀嚼して日本語に変換し
さらにそれを伝わるように整理することで
一番学べるのはわたし、という自己中ですが
よろしかったらお付き合いください。

有名な Google の Project Oxygen で
「よいマネージャーはよいコーチである」
とありますが、その意味を
さらに深く理解できるようになるとも思います。

個人的には、この読解シリーズは
特に次のような方々に
興味深く読んでいただけるのではないかな、
と感じています。

・コーチング中~上級者
・ナチュラルコーチ
・No.2 的な立場での経験値が高い
・経営者との関りが深い
・意思決定者(経営者、リーダーなど)

今回、考えてみたいのは

” リーダーとは、何か ”

ビジネスシーンの話をしていますが
本質的には、どうすれば
リーダーシップが育つかという話なので、
子育てや自己成長にも大いに活用できそうです。

リーダーの仕事と責任

リーダーとは、どんな人なのか。
リーダーのあるべき姿、役割とは
何なのでしょうか。

著者は、CEOや幹部、工場長や支部長など
組織のトップに立つリーダーの仕事には
大きく分けて3つの分野がある、とします。
それは

1.理念・方向性の把握と表明
2.関係づくりと強化
3.結果の創出

もちろんリーダーが
全ての「タスク」を手掛けるわけではなく、
下に行くほど「人を活かす」ことで
仕事を進めていくことになります。

現場の人がうまく仕事ができず
理想的な結果を出せていないとしたら、
それは、現場をうまく指揮できていない
リーダーの責任です。

リーダーというと
「上の立場、偉い人」と思われがちですが
「なぜ」偉いのかというと、
相応の責任を背負っているからです。

よいリーダーの条件のひとつとして
「自分の責任を自覚していること」
が挙げられるかもしれません。

リーダーが現在地を測る4つの視点

一昔前はトップダウン、
上がこう、と言えば下は従う
軍隊式リーダーシップが主流でした。

しかし、現代は「関係性」に注目した
「システム思考」つまり
組織とリーダーシップを双方向から
考えるようになってきています。

そんな現代のリーダーには
ただ自分の想いを押し通す力技ではなく、
周囲との関係性を有効活用して
結果に繋げていく能力が求められます。

マネージメント能力、と言っても
いいかもしれません。

それを分解してみると

・方向性を明確に見極める力
・人や情報とつながる力
・資源を有効活用して結果を出す力

さらには、これらの力が現時点で
どんな状況・バランスなのかを測るために
次の4つの視点から考えてみます。

① 問題点・課題を示す具体的な事象は何か
② 周囲と発展的な関係が築けているか
③ 問題・課題を自分ごととして捉えている
④ 率いる人に対し、目指すべき明確な指標を示せているか

こうした点を的確に押さえ
質を高めて行ける人が
強いリーダーである、と言えるでしょう。

リーダーが見直すべき12のポイント

さて、そうしたリーダーシップですが
リーダを取り巻く「3つの層」で
さらに要素を細分化していきます。

A)直近の層
リーダー自身の層で、
自身のやる気や価値観、言動のクセなど
個人的要因に関わること。

B)中間(やや外側)の層
これは自分のチームや周囲に関することで
顧客や取引先などもここに含まれる。

C)外界(一番外側)の層
より広い世界のこと。
業界の組合や連合、世界市場や経済、
社会的な事件や気象などの動き。

層の深さ≒視野の広さとか
コントロールの難易度とも言えます。

どの層の要因も、
リーダーのパフォーマンスに
影響を与えます。

イメージとしては、こんな感じでしょうか。

A)自分自身について
① どんな問題があるか
② 他者との関係は上手く行っているか
③ 自分ごととして取り組んでいるか
④ 具体的な目標(指標)は何か

B)自分のチームや顧客、取引先などとの関係で
⑤ どんな問題があるか
⑥ それぞれの関係性はどうか
⑦ 各自が問題を自分ごとと捉えているか
⑧ 「こうして欲しい」と明確に伝えているか

C)より広い環境要因について
⑨ どんな問題があるか
⑩ それぞれの分野の専門家は誰か
⑪ 主体者意識を持って関わっているか
⑫ 「こうしたい」と明確な目標が持てているか

このフレームワークから見えるように、
広範囲にわたり現状を整理し
必要な部分に的確に対処することが
リーダーに求められています。

リーダーが陥りがちな弱点

著者は、続けて
リーダーの陥りがちなポイントを
次のように指摘します。

組織のリーダーたちは一般的に
世界の流れや経済情勢、トレンドなど
大局(C)を見ることに長けている。

経営のテーマ、リスク、危険要因、
そしてチャンスにアンテナを張っている。

一方で、より身近な部分(B)が
おろそかになりがちである。

しかし、リーダーの問題は
世界的な状況など外側から
やってくるだけではなく、
自らの陣地内で起こるのだ。

社内や直接取引のある顧客、業者との
仕組みと関係性は、
経営において大変重要である。

そのエリアの扱い次第で
リーダー自身、そして関わる他者の
可能性を大いに引き出すことができ、
結果的により大きな分野に好影響を与える。

コーチは、この未成熟の部分を
サポートすることができる。

いかがでしょうか。

リーダーに求められる3つの資質

このように細分化してみると、
スタイルに違いはあれど
優れたリーダーに共通する
本質的な資質が見えてきます。

まず、リーダーというのは「組織」ありき。

何らかの組織を率いる、つまり
「リードする」人です。

すると、必然的に
「個(自分)」と「組織」という
二つの視点が生まれます。

なので、自分のことしか考えられない
自己中心的な人は、
よいリーダーにはなり得ない。

自分も含めた「全体」を見れる
俯瞰力
が必要と言えます。

そして、システム思考と呼ばれる、
全体を構成する様々な要素と
その関係性を把握した上で、
解決策を見つける発想ができること。

問題が起こった時に
「誰の責任か?」ではなく
「どうすれば、問題は解決できるか?」
という解決志向にもつながります。

最後に、人を引っ張っていくには
ビジョンや方向性、期待するものごとを
具体的にイメージさせる
言語化能力や伝達力が必要です。

まとめると、人を動かし
結果を出していく強いリーダーには

1.全体を見渡せる俯瞰力
2.システム思考
3.言語化・意思伝達能力

この3つが必要だと言えます。

エグゼクティブ・コーチは
この3つのバランスに留意しながら
それぞれの質を保ち、さらに高める
サポートをします。

すっくとそびえる大木は、
それと同じだけの容積の「根」を
地中にしっかりと張っていると言います。

地上の堂々とした姿が
リーダーの「表」の顔だとすれば、
地中の根をしっかりと張れるよう
お手伝いするのがコーチの仕事です。


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