プレゼンスはどこから生まれる?【プレゼンスを高める・2】

決断コーチの、井上由紀です。

前回は「決断コーチとは、何者?」
という問いから考えていった結果
「プレゼンス」に行きついたという話でした。

そして、決断コーチングにおいて
重要になってくるコーチのプレゼンスとは

相手に「大いなる安心感と、適度な緊張感」を感じさせる空気感

ということでしたね。

今回は、そもそもプレゼンスって
どこから来るの?
いったいどうすればプレゼンスを
高めていくことができるの?

といった点について
考察を深めたいと思います。

安心感と緊張感

さて、ちょっと古いですが
「安心させてくれそうな俳優ランキング」
というサイト記事があります。

このトップ5を見てみると

1位:向井理
2位:大野智
3位:堺雅人
4位:草なぎ剛
5位:小日向文世

でも、100人いたら100人が
この5人に同じように安心感を
感じるでしょうか?

おそらく

「いや、わたし(俺)はこの人はちょっと」
「わたし的にはこの人がトップ1だな」

みたいになりそうですね。

もっと分かりやすく言えば、
この5人をアメリカに連れて行ったら
果たしてアメリカ人は、彼らに対し
「安心感」を感じるかどうか。

日本の調査結果とはかなり
違ってくるのではないでしょうか。

安心感は「関係性」の中で成り立つ

つまり、何が言いたいかというと
安心感とか緊張感といった印象は

・それを感じさせる人(主体)
・それを感じる人(客体)

この二つが存在し、その関係性の中で
初めて成り立つ
のです。

たとえばわたしは日本のドラマや映画を
ほとんど見ない生活をしているので、
正直、上の5名のうち
半分以上は名前すら知りませんでした。

なので「この人」と言われて写真を見ても
「へぇ~(ピンとこない)」という感じです。

しかし、彼らの出演する作品で
感動した経験がある人なら
「確かに、安心感あるわ~あの人!」
となるかもしれません。

この違いは、彼ら(主体)と
あなた、もしくはわたし(客体)の
「関係性の質」が違うから、起こっています。

ってことは「相手次第」ですか?

関係性というのは
自分と自分以外の要素によって
成り立つもの。

ということは、自分「だけ」が
どれだけ頑張ろうが
相手次第でどうにでも変わる、とも言えます。

じゃあ、大きな安心感と適度な緊張感を
自分が「与える」ことは
なかなか難しいのでは?という
疑問が沸いてくるのではないでしょうか。

だって、相手によって
どう解釈されるか分からないですもんね?

どうでしょうか。

この「自分一人では解決できない問題」
わたしも繰り返しぶち当たりつつ、
学びを深めてきています。

「圧倒的な人」の共通点

とはいえ、あなたの周りにもいませんか?

「あの人、すごいよね~」

と、みんなが口を揃えていう人。

もちろん「〇〇の神様」的な人もいれば
常識が無さすぎる、ちょっとどうなのあれ?
みたいなネガティブなケースも含まれます。

よしにつけ悪しきにつけ
そんな強烈な存在感を放つ人。
彼らには、ある共通点があります。
それは…

「強い信念を持っている」

という点。

エジソンが1000回失敗して電球を発明したり
ソフトバンクの孫さんのミカン箱演説など、
偉人と呼ばれる人には間違いなく
「あきらめなかった」という逸話があります。

同様に、あの人マジ勘弁してという人も
「人の話を聞かない」
「何を言っても変わらない」といった
頑固さを持ち合わせていないでしょうか。

結果論として
それが何らかの評価につながれば
偉人として称えられます。

が、結果が出なければ
「ただの偏屈」として
笑われたり、煙たがられる可能性もあります。

プレゼンスのレシピ

ということで、ここまでで出てきた要素を
ちょっとまとめてみると、

・安心や緊張は「関係性」の中で成り立つ
・相手の感じ方によって「印象」は生まれる
・強い信念を持つ人には圧倒的な存在感がある

さて、これらが何かを示唆するとしたら
それは何だと思いますか?

 ・
 ・
 ・

あなたが、自分と関係することで
相手に大いなる安心感と
適度な緊張感を感じてもらえたら、
ふたりの関係性はどうなると思いますか?

それによって、状況はどう変化し
どんな結果につながって行きそうですか?

 ・
 ・
 ・

わたしの意見をシェアすると、
わたしは、次のように考えています。

まず、コーチ的立場として
自分のプレゼンスは
「相手の進化成長を助けるために」
有効に働くもの
であること。

これは、基本中の基本です。

なので、どんなに相手が尊敬してくれたり
安心する!と言ってくれたとしても
それで相手の成長が止まってしまうなら
わたし的には「失敗」と感じます。

その上で、相手に安心してもらうには
絶対に必要なことがあります。それは

コーチ自身が、どっしりと安定している

ということです。

子育てでも、常にピリピリしている親の元で
のびのび育つ子はいませんよね。

なので、プレゼンスの第一歩は
いかに自分自身が自己認識できていて
自分を安定させられる
か、だと思っています。

その上で、リスクを取る

何のリスクを取るかというと

「これ言ったら、傷つけちゃうかな」
「これ言ったら、反発食らうかな」
「これやったら、引かれるかな」

ということを、勇気をもって、あえてやる。
誰のためにかと言えば「相手のために」、です。

単に自分がスッキリしたいから
言いたいことを言ったりやったり
あるいはやらずに済ますのは、
似て非なるものです。

ここも、自己認識がどれくらいできているか
という点と大きく関わってきます。

これらをまとめてみると

自分をよく知り、
勇気をもって自分をよく活用し、
関係性の中で、バランスを取る。

このスキルを高めていくことで
プレゼンスは大きく向上します。
そしてこのプロセスは、そのまま
自己信頼と自己肯定感の強化でもあります。

「強い信念」というのは、つまり
強い自己信頼と、自己肯定感の現れ。

ただし、頑固な人が全員
強い自己信頼と自己肯定感があるかというと
そうとも言えません。

カリスマ性とプレゼンスの違い

頑固で圧倒的なんだけど
自己信頼や自己肯定感が低い人。

特徴は
「カリスマ的、かつ孤独」。
猜疑心と競争心が強く
人間関係のトラブルが多い傾向があります。

カリスマ性のある方というのは
たいがい「孤独」を経験しています。

誰もが言い、誰もがやることを
同じようにやっているならば、
そもそもカリスマじゃないですよね。

ですので、カリスマと孤独は
ほぼほぼセットです。

で、プレゼンスの高い人には
カリスマ性が備わりますが、
カリスマ性のある人がみな
プレゼンスが高いわけではありません。

大は小を兼ねる的公式で表すと

プレゼンス>カリスマ性

じゃあ、プレゼンスとカリスマ性の
違いはどこにあるかというと、
それは「意識の向かう先」ではないか。

簡単に言えば、プレゼンスの高い人は
意識が内側(自分)と外側(周囲)の両方に
しっかりと向いている。

先に触れた「関係性」ですね。

その上で、相手のために
自分の一挙手一投足を
意識的に選択する人だと思います。

一方で、カリスマ性というのは
どんな方向であれ、何らかの
「集中度・密度」が高いために
周囲から抜きん出る、という現象。

なので、カリスマ性の向かう対象に
「外側」も入ってくるならば、
それは自然とプレゼンスにもなる。

その時、カリスマの持つ
「孤独」という概念は
関係性の中で、昇華されていきます。

まとめ:プレゼンスを高めるためには

ということで、今回のまとめです。

プレゼンスとは
「大いなる安心感+適度な緊張感」
を感じさせる、存在感。

それは
・内側と外側の双方に向けられる意識
・自分と関係性についての深い認識
・自分を活用し自他を活かす、勇気ある行動

この3つから成り立ちます。

これを実現していくには
自己信頼と自己肯定感を磨いていく
必要があります。

では、最後にもう一度
こちらの質問を投げかけてみたいと思います。

・安心や緊張は「関係性」の中で成り立つ
・相手の感じ方によって「印象」は生まれる
・強い信念を持つ人には圧倒的な存在感がある

これらが何かを示唆するとしたら
それは何だと思いますか?

あなたが、自分と関係することで
相手に大いなる安心感と
適度な緊張感を感じてもらえたら、
ふたりの関係性はどうなると思いますか?

それによって、状況はどう変化し
どんな結果につながって行きそうですか?


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