「つい感情的に」の仕組みを知って有効利用しようという話①

決断コーチの、井上由紀です。

今回から2回に渡って

・人が感情的になる摂理
・そもそも感情ってなんだ?
・どうやって感情を味方につけるか

というお話をしたいと思います。

すぐネガティブになっちゃう自分、
イライラしがちな自分を
何とかしたい、という方に
何か参考になればうれしいです。

それは事実、それとも解釈?

コーチングの質問の中に

「それは事実ですか?それとも、想像・解釈ですか?」

というのがあります。

わたしがコーチングをする時は
この「事実と解釈の切り分け」が
出発点になることがよくあります。

ですが、この「事実」を理解するのが
少し難しい。

なぜならば、わたしたちは
「自分にとって当たり前(主観的事実)」と
「誰にとっても事実(客観的事実)」とを
混同しがちだからです。

もう少し正確に言うと

・客観的事実(世界共通の事実、物理・もののことわり)
・一般的事実(あるコミュニティーで共有されることがら)
・主観的事実(自分だけの事実、個人的な知覚や解釈)

(※学術的用語ではなく、ここでの解説用語です)

客観的事実とは、引力のように
地球上のどこであっても
同じように起こる結果、現象。

一般的事実というのは、例えば
家族や学校、地域、国など
そのエリアでは「当たり前=事実」
として認識されている概念。

主観的事実というのは、
当人には「こうだ」と認識されても
第三者にはそうとは限らない
個人的な知覚や意味づけ、解釈です。

この3つの「事実」が
整理できていないと、
いろいろと問題が発生します。

図にすると、こんな感じ。

例えば、東京の街中で
あなたは信号待ちをしています。

待っているのはあなたと、
色盲の友人(日本人)と、
見ず知らずのカナダ人です。

信号が青になったので
横断歩道を渡り始めます。

その時の信号の色は?
What is the color of the traffic light?

あなたと友人はきっと「青」と
そして、カナダ人はおそらく
「Green(緑)」と言います。

ただし、視覚障害のある友人には
その【青】の色が
あなたと全く同じに見えているわけでは
ありませんね。

ここで起こっている
3つの「事実」とは

客観的事実:
特定のスペクトラムを持つ色の存在
各自の目に、それが見えている

一般的事実(解釈):
その色は【青】(日本語での事実)
その色は【Green】(英語での事実)

個人的事実(解釈):
あなた「信号は青」
友人「信号は【青】と呼ばれる色」
カナダ人「信号は Green 」

個人的事実(知覚):
友人にはその色が、
色覚正常者(あなた)とは
違ったように見えている

なんとなく、違いが分かりますか?

もう一つ、例をあげましょう。

海外旅行に行ったAさん。
お店で買い物をしたところ、
店員さんはニコリともせずに
無言で商品を袋に入れました。

Aさんは、店員のそっけない対応に
何となく不愉快になりました。

日本に帰ってきて、Aさんは
「某国はお店のサービス悪いわ」
と、家族に話しました。

ここでの客観的事実は、
とある国のとある店で
その店員がAさんに対応したとき
笑顔ではなかった、ということです。

そして、Aさんはそれによって
不愉快な気分になった。

これは、どうでしょうか?

 ・

 ・

 ・

Aさんがそれによって不愉快になった、
そのこと自体は

「実際に生じている現象、結果」

ですね。

・店員に笑顔がなかった
・Aさんにネガティブな感情が起こった

これが「客観的事実」です。

一方で、それを
「店員のサービスが悪かったから」
とするのであれば、これは
主観的な解釈になりますね。

店員に笑顔がない=サービス精神がない、
というのはAさんの個人的解釈であって
本当にサービス精神がないのかどうか
客観的事実は闇の中、ということです。

感情が起こる仕組み

長々と話して来ましたが、要するに

「人はたくさんの解釈をしながら生きている」

ということが言いたいわけで、
そこを理解したうえで次に進みます。

上の話で、Aさんは仏頂面の店員に
「不愉快になった」。
ネガティブな感情が
引き起こされたわけですね。

では、どうしてAさんに
その感情が起こってしまったのか。

それは簡単に言うと、Aさんの中に
その感情にまつわる回路があるからです。

それが、店員との体験によって
呼び起されたから、その感情が
起こってしまったわけです。

このように、わたしたちは日ごろから
さまざまな外的情報(刺激)を受け、
そこから呼び起される記憶と
紐づく感情に影響されながら生きています。

記憶と感情の紐づけは
わたしたちの脳で行われます。

わたしの師匠によれば、
その情報や引き起こされた感情は
脳から電磁波として発生し
全身をぐるぐる巡るのだそう。

その速さはなんと、秒速約30万㎞。
1秒で地球を7周半も
駆け巡るスピードだそうです。

そして、そのぐるぐるによって
その人の「磁場」ができるのだとか。

このメカニズムですが、
図式でもう少し詳しく解説します。

最初に受ける刺激は、
純粋に「客観的事実」です。
五感を通して感受された情報は
脳に届けられます。

興味深いのは、この刺激情報が
まず思考(解釈)や感情を
挟まない状態で、いったん
体中を巡るという点。

この時、体の部位がそれぞれに
反応をするのだそう。

神経は、その反応情報を
また脳へと送り返します。

その身体反応の情報と
これまでの記憶が
脳ですり合わせられる形になり、
感情が発生するようです。

これが電磁波となり、
同じく身体中に送られます。

感情が乗った電磁波が
グルグルと何度も巡回することで
その人の磁場が発生します。

刺激を受けてから情報が体内を巡り
身体反応と記憶をガッチャンコして
感情が起こり、磁場が起こる。

このプロセスの処理速度が
秒速約30万㎞ですから、
体感としては刺激を受けた瞬間に
もう感情が生まれている感じです。

なので「瞬間湯沸かし器」
みたいなことが起こるんですね。

これ、何かを思い出しませんか?

わたしが思ったのは
「電流と磁界」です。

https://www.watt-mag.jp/articles/100 より引用

神経細胞(ニューロン)が
電気を使って情報伝達することは
すでに知られています。

あなたが刺激を受けて
その情報に、さらに個人的情報を載せ
体内に伝達することで、
固有の磁場が形成される。

科学的に証明されているかどうかは
今のところわたしには分かりませんが、
イメージとしてはとても
つかみやすいのではないかと思います。

こう考えてくると、
感情的になる、というのは
この黄色のグルグルが
ガンガン走っている時ですね。

そうすると磁場も強くなるので
周囲もその影響を受け、
冷静な時なら起こりえない結果を
招いてしまったりする。

そんな風に考えられます。

ということで、今回は
「感情ってなぜ起こるの?」
「感情的、という状態って?」
という点について話して来ました。

次回は、この状態を
どう扱えばいいかについて
考えてみたいと思います。


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